読書:哲学入門(2)

第2章で最終的に立った問いはこんなんだった。

  1. テーブルは実在するのか
    • 私たちが近くするのがセンスデータでしかないのなら、センスデータの原因となテーブル本体の存在は知覚できないことになる。知覚できないとなると、本当にテーブル本体は存在するのだろうか?
  2. もしあるのだとしたら、その本性は何か
    • 仮にテーブル本体が存在するとして、どんな色、におい等の特徴があるのか?

2章以降でラッセルはこの問いに向き合う。でも、期待した形での答えは出てこない。

第2章 物質は存在するか

この章では先に挙げた問いの「1. テーブルは実在するのか」に答えようとする。で、その答えは「実在すると認めるのが妥当」に落ち着く。

ラッセルは、デカルトの「われ思う、ゆえに我あり」をさらに細分化し、少なくとも一瞬一瞬の考えや知覚だけは確実性を持っていると説明する。そのうえで「自分とその経験以外の物が存在していることは、ある意味では、決して証明できないと認めざるを得ない。」(p,28)という。もしかしたら目の前のテーブルは夢の産物かもしれない。映画『マトリックス』の世界観だ。 なぜ認めるのが妥当なのか それは、テーブルは実在するという感覚は「本能的信念」に基づくからだ。 本能的信念とは、「自分の考えを振り返るようになったときには、すでにそう信じている自分に気づく」という信念。 もちろん本能的信念はあくまで信念であって事実ではないので、拒否することもできる。ただ、拒否する妥当な理由がない。 拒否する理由がないから。「実在しない」という答えは拒否する妥当な理由がある。

正直「実在する」もしくは「実在しない」のどちらかを期待してたんだけど、そうはならないようだ。