読書:哲学入門(1)
バートランド・ラッセル著『哲学入門』の読書メモです。
哲学書と言われるやつをちゃんと読むのは学生の頃ぶりです。
第1章 現象と実在
この章でラッセルは2つの問いを立てる。
- そもそも物質のようなものがあるか
- もしあるのだとしたら、その本性は何か
え、どうしたん。物質、あるに決まってるじゃないか。 物質に囲まれて生活してるじゃないかぼくら。
でも、ラッセルはそういう話がしたいわけじゃないらしい。
例えばテーブル。自分は確かにテーブルを知覚している。色は茶色で、特ににおいは無し。触ると固い。
でも、テーブルの色合いは光の当たり具合によって変わるし、室温が上がれば木の香りがするかもしれない。つまり、テーブルに対する知覚は、自分とテーブルについての(位置とか時間とか温度とかの)関係に依存して変化するわけだ。ラッセルはこの変化する知覚を「センス・データ」と呼んでいる。ラッセルにしてみれば、私たちがテーブルそのものだと思って知覚していたのは、テーブルのセンス・データでしかないというわけだ。
じゃあ、このセンス・データのもとになるテーブル本体はどこにあるのか?というか、そもそも存在するのだろうか?私たちはどうあがいてもセンス・データしか知覚できないのだ。知覚できないテーブル本体の存在をどうやって確かめたらいいんだ。
先の二つの問いをテーブルに置き換えるなら、
- テーブルは実在するのか
- 私たちが近くするのがセンスデータでしかないのなら、センスデータの原因となテーブル本体の存在は知覚できないことになる。知覚できないとなると、本当にテーブル本体は存在するのだろうか?
- もしあるのだとしたら、その本性は何か
- 仮にテーブル本体が存在するとして、どんな色、におい等の特徴があるのか?
ということになる。
続く